オラルド


 まだ増えるだろう。こんなものではないはずだ。直にここも人で溢れ返る。
 先を急がねば。態勢を整え、民衆を安全な場所へ誘導するのだ。

 名はオラルド。彼はタンカーだ。
元の名は日高広昭。高校中退。日雇いのバイトで食い繋ぐ、何も持たない二十歳の青年だった。
しかし、今は立派なタンカーである。身を盾にしてオヒトサマを守っている。
 自身の数奇なる運命について語るのであれば、それは本人が少しずつ打ち明けていくだろう。そう思う。他人がどうこう言うことではない。あくまで、今の彼について知ってもらうことが重要であるし、本人もそれを望んでいる。
 彼の名はオラルド。彼は立派なタンカーだ。

 まだ恐怖も緊張も無い。空気も澄んでいた。







 有難い。今回も協力者を得ることができた。群衆の中に目を凝らしていると、稀にいるのだ。動きの違う者。所作、立ち振る舞いが違う。



 








協力者であって、けして仲間ではないということ。

私はそういう夢を見ていた。揺り起こされて目を覚ますと、

白銀のコンクリートが、いよいよだと言っているようだった。

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